潮の影響を直接受ける海域の、潮通しの良い岬の鼻、堤防、地形に起伏のある岩礁帯などが釣り場となります。
回遊魚なので、回遊している時期を逃さないように釣行出来れば、チャンスは大きいです。
一般的にショアから狙いやすいのは、8月~12月頃までです。
8月に入った頃から、ネイゴ(カンパチの若年魚)が釣れ始め、ヤズがその中に交じっていることもあります。
少し遅れて、サゴシ(3~40cmのサワラ)が釣れ始めます。
ネイゴは9月になると余り姿を見せなくなり、変わってヤズが本格的に釣れ始めます。
10~11月頃がサワラ・ヤズ・ハマチ・ヒラマサのピークで、12月になると身に脂が乗り始めますが段々と釣れる数は減って行きます。
中に、1年中ショアから青物を追いかけている方もいらっしゃいます。
ハマチ・ヤズ
北海道南部以南の日本沿岸全域に生息し、群れを作り回遊している。
ブリの幼魚で、ヤズ⇒ハマチ⇒ブリと成長すると名前が変わる。
最大体長は1mを超えるが、ショアから狙う場合は、ヤズとハマチが中心となってくる。
産卵時期は2~5月頃で、東シナ海と日本各地に産卵場がある。
カンパチ
体色は少し赤身が入った色をしていて、幼魚~若年魚では、前頭部から眼のうしろにかけて暗褐色の帯が八の字状に走っているのが特徴です。
ヒラマサやブリに比べて体高があるので、区別は容易です。
体高があり、ヒレも発達しているので、引きは同サイズのブリやカマスに比べて強い。
サワラ
本州中部以南に生息する暖海性の表層回遊魚です。
体は平たくて細長く、体側に暗色の斑点が見られる。
大きな口の両側には鋭い歯が並び、アジ・イワシなどの小魚を捕食している。
この鋭い歯で、しばしばラインを切られることがある。
ヒラマサ
ヒラマサは、姿形がブリそっくりでなかなか見分けがつきにくいが、口元の三角形の部分がブリでは角ばっているが、ヒラマサはやや丸みを帯びている。
また、ヒラマサの方がブリに比べて体がやや薄いのが特徴である。
暖流系の魚で、沿岸部の表層を群れを、作って回遊している。ブリよりも高水温を好んでいる。
ショアジギングの対象となる魚は、青物等の回遊魚がほとんどです。
回遊魚が回遊してきそうな場所での、回遊待ちの釣りになります。
水深のある潮通しのいい岬や堤防の先端付近や、回遊ルートとなる水深のある場所の隣接した浅場や餌とベイトフィッシュが集まっている場所等で回遊して来るのを待ち受けます。特に、朝・夕のマズメ時や潮が動き始めた時などが比較的回遊しやすい時間になります。
しかし、1日釣りをしていても全く回遊して来なかったり、回遊してきたが、ルアーが届く場所まで来なかったりすることも有ります。
回遊してきても、1日中、釣れ続けることはほとんど無く、釣れる時合は一瞬だったりするので、釣れる時合を逃さないように、自分が休憩している時も、他の釣り人の様子をよく見て回遊して群れを逃さないようにする必要が有ります。
釣り方は、テクニックよりも体力勝負の釣りになります。
基本的には、メタルジグやトップウォータープラグなどを遠投して、ロッドでシャクッてアクションを加えたり、早引きしたりして、青物を誘います。
メタルジグを動かすスピードが遅いと、魚から見切られてしまうことが有ります。
ただ、スローなアクションでも反応することも有るので、いろいろなアクションを試してみて、その日のパターンを見つけてください。
運よく、ナブラに遭遇することも有ります。
ナブラに遭遇して、簡単に釣れることも有りますが、目の前でナブラが立っているのに、全く釣れない時が有ります。
こんな時は、喰っている小魚とルアーのサイズやカラーが有っていない場合が多いので、ルアーのサイズやカラーを変えてみると、効果的な時が有ります。
後はアクションや巻き取るスピードを変え足りしますが、意外とナブラが立っているのに全く釣れないことが有ります。
小魚(ベイトフィッシュ)が接岸している場所では、アジなどを使った泳がせ釣りでも狙えます。
こちらは、生きたアジなどを現場で釣って、仕掛けに掛けて投入するだけなので、体力勝負の釣りにはならないので、1箇所で1日中粘る時には有効な釣り方です。
また、昔から、オキアミのボイルを使った遠投かごによる釣り方も盛んで、回遊してきた群れによっては、メタルジグには釣れず、遠投かご仕掛ばかり釣れている時も有ります
。
どちらの釣りも、魚が回遊してきそうな場所に、仕掛けを投入し回遊を魚の回遊を待ちます。
体力勝負ではない代わりに、餌を準備したり、持っていく道具が大掛かりになったりするので、手軽さという点では、ショアジギングに軍配が上がると思います。
20数年前に、ショアジギングをやり始めた頃は、まだ、専用のタックルが無くて、シーバス用のタックルを流用していましたが、今は、各社からショアジギング用のタックルが販売されています。
ショアから青物を狙う場合、投げられるルアーの重さに応じて、何種類かのロッドが有ります。
本格的にヒラマサやハマチ・ブリなどを狙う場合は、ルアーウェイト80~100gのロッドが基本になると思います。釣れているサイズが小さめな場合には、ルアーウェイト60g位に落としてもいいです。
ヤズやサゴシを中心に狙うので有れば、ルアーウェイト40g前後のロッドの方が軽くて
、疲れにくいと思います。
シーズン初期のカンパチなどあまりサイズが大きくない場合は、ルアーウェイト30g前後のシーバスロッドなどで釣っても面白いと思います。
長さは、9~10フィートが標準的な長さです。
地磯などで、足場悪かったり、手前に沈み根が入っている場合や遠投して飛距離を伸ばさないといけない場合は、長めのロッドは有利です。
堤防の上からなどで足場いい場所や近くまで青物が回遊して来る場所、沈み根を交わす必要がない場合は、短めのロッドの方が疲れにくいと思います。
リールは、4000番~6000番の大きさの中から、使用するロッドとのバランスの取れたサイズのものを選びます。
ラインは、リールの大きさに合わせてPEの1.5号~3号を300m巻きます。ラインが高切れしてしまった時に、300mは巻いてないと、続けて釣りが出来なくなってしまうので、300mは必要だと思います。
ラインの先端にはリーダーを取り付けます。
釣れている魚や狙う魚のサイズに合わせて20ポンド~50ポンド程度の強さのリーダーを選択します。
ナイロンのものとフロロカーボン系のものが有ります。ナイロンのリーダーは柔らかくて使いやすいですが、根ずれには弱く、フロロカーボン系のリーダーは、硬めでしなやかさには欠けますが、根ずれには強いです。釣り場の状況に応じて使い分けていきます。
メタルジグは、使用するロッドに合わせた重さのものを選択します。
使用するロッドの重さよりも重いジグだとロッドが折れる危険が有るし、軽すぎると全然飛距離が伸びなかったりします。
メタルジグは、重心の位置によって、沈み方と沈下速度が異なります。
重心がメタルジグの中心にあるものは、「ヒラヒラ」としながら落ちるので、沈下速度は遅くなりますが、「ヒラヒラ」と落ちる様子が魚にアピールいて集魚効果が有ります。
重心が、下側にあるメタルジグは、一気に海底へ沈んで行くので沈下速度は早くなります。水深が有る場所や潮流が速い場所に向いています。
飛距離も、重心が中心にあるタイプよりも下側にあるタイプの方がよく飛びます。
メタルジグの形状も幅が有るタイプと細長いタイプが有ります。
幅が有るタイプはジャークする時の抵抗が大きくなり。細長いタイプは抵抗が小さめです。
ゆっくりとメタルジグを動かしても、しっかりとアクションが付くように、スプーンのように幅が広い形状をした、スロージギング用のメタルジグも有ります。
ヒラマサやハマチなどを中心に狙う場合は、80g60g40g前後のメタルジグを各サイズ3本づつ。ヤズやサゴシを中心に狙う場合は60g40g30g前後のメタルジグを各サイズ3本づつ揃えればいいと思います。
ショアジギングは、メタルジグが消耗していくので、その都度補充していけばいいと思います。
メタルジグの他に、シンキングペンシルやトップウォータープラグなども使用されています。
青物が釣れる時期になると、青物が回遊して来る磯や堤防等には、必ずと言ってもいいくらい、アジなどを餌にした泳がせ釣りで青物を狙っている釣り人が居ます。
同じ青物狙いでも、ショアジギングと違って、体力勝負の釣りではなく、青物のアタリを辛抱強く待つ釣りになります。
しかし、ショアジギングと違ってメタルジグを動かす必要もなく、仕掛けもシンプルなので、敷居はそれほど高くは有りません。
青物が回遊して来る場所で、餌のアジやイワシなどが確保出来れば、誰にでも大物を釣ることが出来る釣りです!
竿は磯竿の3号前後から使用できますが、近くに他の釣り人が居る場合には、青物が走って迷惑をかける恐れが有るので、磯竿の4~5号を使用した方がいいと思います。
最近では、ショアジギングやオフショアジギング用のヘビータックルを使用して泳がせ釣りをしている釣り人の姿も見かけます。
リールは最低で4000番以上のパワーの有るリールが必要になると思います。
ラインはPEラインの3号前後・ナイロンなら最低7号くらいは必要になると思います。
釣り方は、ウキを付けて生餌を流していく釣り方と胴付き仕掛けやエレベーター仕掛けで底に沈める釣り方が有るので、釣り場の状況に応じて使い分けます。
岩場や根が多い場合はウキを付けて流して、海底が砂地でヒラメなども同時に狙える場合はウキを付けずの底へ仕掛けを沈めるといいと思います。
仕掛けは、シンプルな仕掛けなので自作する場合のハードルは高くないですが、最初は市販の仕掛けが有るので市販の仕掛けから始めて、それを参考に自作していくといいと思います。
餌は、現地で小アジやイワシ・カマスなどをサビキで釣り上げて現地調達します。
餌が無くなる都度釣ってもいいですし、ブクブク(酸素供給用ポンプ)を持参してまとめて釣って活かしておいてもいいです。